行旅死亡人とは、旅先でお亡くなりになった方ではありません。「行旅病人及行旅死亡人取扱法」抜粋 住所、居所若しくは氏名知れず、かつ引取者なき死亡人は行旅死亡人と見做す とあります。身元もわからず、当然引取者もおらず、各自治体において遺品・遺骨を一定期間保管している状態です。おひとり様、家族とは縁がなく親族がいても疎遠であり、いわゆる無縁状態であります。 長い期間賃貸住宅に住んでいても、本人以外に連絡先がわからないというケースもあります。行旅死亡人官報で検索すると毎日のように情報が記載されています。高齢者の場合長い人生の割にあまりに短い情報で悲しくなりなす。一度検索をしてみて下さい。身分のわかるものをもっていないホームレスの方や認知症が進んで徘徊の症状により行方不明になった末に、どこかでお亡くなりになり警察も身元がわからず、無縁のまま官報に載ってしまいます。高度成長時代や地方からの出稼ぎで土木建築に従事し、経済不況の時に行くあてもなくなってしまった方もいたと思います。現在、共生社会の実現にむけて 「無縁社会に生きている方々と共に」重要な施策であると考えます。
次に上記と関連する無料低額宿泊所を考察します。無料低額宿泊所とはホームレスの方々など住居確保が困難な方のために、一時的な住居を提供してその後福祉施設などへの橋渡しとされています。東京都においては、福祉局が無料低額宿泊所の一覧表を掲載しています。NPO法人・社会福祉法人・個人などが運営しています。生活困難者(生活保護受給者が多い)を福祉関連の方々が紹介して入居しているケースが多いですが、一時的な宿泊所のため、宿泊所から宿泊所、ショートステイから宿泊所など転々とせざるを得ない現実もあります。 無料低額宿泊所は全国をみれば、劣悪な住環境・粗末な食事提供・不明瞭な費用など徴収して、生活保護受給がほとんど残らないという現実もあります。雨露しのいで食べ物もある 毎日生きていくだけで精一杯でしょう。 2013年発行NHKスペシャル取材班「老人漂流社会」の言葉を引用すると、どこで老後を過ごすのか。どこに安心できる終の住処があるのか。どこで最後を迎えるのか。 家族がいることを前提とした社会保障制度はもはや機能不全を起こしている。 と結んでいます。権利擁護支援が声高らかに言われていますが、行政の手は入るのでしょうか。

単身高齢者世帯が現在903万世帯である。孤立死は2万人以上とされ、そのうち7割が65歳以上の高齢者である。「誰にも看取られず」社会と関わりが薄い高齢者が増えれば、孤立死も増加する。再度 「無縁社会と生きている方と共に」。
