令和8年2月3日弁護士法違反(非弁行為)で退職代行サービス「モームリ」社長夫婦が逮捕された。行政書士の業務においても、弁護士法72条を正確に理解し、業務を受けられない場合、顧客に十分に説明をする必要がある。他の士業、コンサルティング業務においても同様である。違反になる成立要件は次の通りである。
①弁護士または弁護士法人でない者が ②報酬を得る目的で ③法律事件に関する法律事務を取り扱うこと、法律事件に関する法律事務の取り扱いを周旋すること ④ ③の各行為が業としてなされること
②について 「報酬」はいかなる名称であるか、金銭の多少のいかんも問わない。「報酬」は法律事務の取り扱い、 周旋との対価関係が必要である。本件においては、弁護士からのキックバックが賛助金・広告業務の委託費であった。 ③について 解釈の対立はあるが、一般的には紛争性が必要であるが、紛争が訴訟等の形で現実化しているまでの必要はなく、法的紛議が生ずることがほぼ不可避である案件については、「事件性」の要件が充足されるとする。 参考 最判平成22年7月20日 「周旋」について 依頼を受けて鑑定、代理、和解等をなす者との間に介在し、両者間における委任契約その他の関係成立のための便宜を図り、その成立を容易にならしめる行為。法律事件を扱う非弁護士に対して周旋禁止されていることはもちろんであるが、弁護士に対して周旋することも禁止されている。 参考 富山地裁高岡支部判昭和33年2月18日
交通事故において示談交渉・保険金請求・損害賠償交渉 各債権回収 立ち退き交渉 遺産分割協議 親権 など 相手方と対立するおそれ(争いのおそれ)があるので、注意が必要である。知人のためにやってあげたいと思っても、無謀である。
裁判事例において、弁護士法72条に対する違反有無は、数多くあるが現実の案件は一見して類似事案のようでも結論が異なっていることがある。先の述べたように、各士業関係者・コンサルティング業務関係者などは、抵触のおそれがあるのかないのかを、検討の上顧客サービスに応えていきたい。争えば法律のプロ相手になるのだから。
追加 関連弁護士も書類送検された。
早めに「かかりつけの行政書士」にご相談を。
